預かりタレントと専属タレント

預かりタレントと専属タレントタレントには預かりタレントと専属タレントの2通りがあります。

預かりタレントとは

預かりタレントとは、特定の芸能事務所に所属していないタレントです。事務所から仕事がきた時のみ仕事を行います。

また、特定の事務所に所属していないので、自分が気に入った事務所に複数登録することができます。

そのため、ある登録した事務所から仕事がきたとしても、他の登録している事務所のことを気にすることなく、自由に仕事をすることができます。

また、自分で仕事を取った場合は、事務所を通さず直接クライアントと仕事をすることができます。

ギャラも自由に設定でき、仕事も自分で選ぶことができます。どこにも縛られず自由に活動できるので、フリーのタレント(フリーランサーとかフリーランスという)となります。

このように、フリーランスは自由に活動できるメリットはありますが、逆に仕事がなければ無収入になるので、収入は安定しません。

そのため、自分で努力して技術を磨き、経験を積み重ねて、「この人に頼めば良い仕事をしてもらえる」と相手に思ってもらえることが重要になります。

また、ギャラの請求や税金、各種社会保険の支払いといった事務的なことも、全て自分で行わなければいけません。

専属タレントとは

一方、専属タレントとは読んで字のごとく、特定の事務所に属しているタレントです。テレビで見る有名なタレントのほとんどは、どこかの事務所と専属契約をしています。

専属タレントは、スケジュールを事務所が管理しているため、自分で勝手に仕事を受けることはできません。

もし、事務所に内緒で勝手に仕事をとり、ダブルブッキング(同じ日の同じ時間に違う仕事を入れてしまうこと)でもしてしまったら、事務所に迷惑がかかるだけでなく、自分の信用も失うことになり、メリットは何一つありません。

ギャラについては、他の仕事を勝手に行うことができないので、最低限は保証されることが多いです。

そのため、事務所としては所属タレントに、何としてでも給料以上の仕事をしてもらうため、必死に売り込みをします。

そうしなければ事務所が赤字になってしからです。

タレントにとっては、毎月給料がもらえるので、フリーランスよりは安定した生活ができます。しかし、逆にスケジュールは事務所が管理するので、フリーランスと比べると自由度は低くなります。

ちなみに、専属タレントには給料制と出来高制の2通りの給料パターンがあります。

給料制の場合は1ヶ月どんなに頑張っても、もらえる給料は一定となります。いっぽう、出来高制の場合は、仕事をすればする程たくさんのギャラをもらうことができるので、やり甲斐があります。

しかし、出来高制のポジションに登りつめるには、知名度という影響力がタレント自身になければ勝ち取ることが難しいポジションとなります。

このように、専属タレントと預かりタレントには、それぞれメリットとデメリットがあります。

ただ、タレント初心者が最初から事務所と専属契約することは、よほどの才能がない限り無理でしょう。そのため、最初は預かりタレントからのスタートとなります。

フリーと専属で同じ仕事なのにギャラが異なる事例

私はプロのマジシャンですが、私自身は、複数の事務所に登録し、自分でも仕事を取って活動しているのでフリーランスになります。

フリーランスの良い所は、自分で取った仕事であればマージンを抜かれずにギャラをもらえることです。

以前、あるテーマパークでマジックショーを行なったことがあります。

その時は、私と同じフリーランスのマジシャンもいれば、事務所に所属しているマジシャンもいました。その際、テーマパークから支払われるギャラの金額は一緒です。

そのため、フリーランスのマジシャンは事務所にマージンを取られないので、それなりのギャラを頂いておりました。しかし、事務所に所属しているマジシャンのギャラは約半分ぐらいでした。

このように、タレント業では同じ仕事内容でも、マージン次第ではギャラが半分近く違ってくることもあります。

以上のことから、専属タレントでも預かりタレントでも、メリットとデメリットは必ずあることがお分かりいただけたかと思います。

メリットとデメリットを比較ばかりして、活動することに躊躇していては何も始まりません。要は、「タレントになりたい」という強い気持ちさえあれば、どちらでも対応していくことができるはずです。

そして、専属タレントであっても預かりタレントであっても、まずはお客様に喜んでいただけるように努力することが、タレント業では大切だと考えます