バルーンアーティストとバルーンパフォーマーの違い

バルーンアーティストとバルーンパフォーマーの違い
あなたはバルーンパフォーマンスをご存知でしょうか?バルーンパフォーマンスとは、細長い風船(糸風船という)をひねることで動物やキャラクター、乗り物……など、さまざまな作品を風船で形作るパフォーマンスです。

私はプロのマジシャンですが、バルーンパフォーマーとは仕事現場がよく一緒になります。バルーンパフォーマンスは私には全く未知の世界なので、いつも興味を持ちながら彼らの仕事風景を見学しています。

彼らが風船をあっという間にひねって作る作品は本当に見事です。しかも一本ではなく、何本もの風船を複雑に絡ませることにより、巨大な作品を作ることもあります。

そして、その作品をお客様にプレゼントした場合、もらった方が大喜びするのは言うまでもありません。

私もお客様に喜んでいただくためにマジックを行なっていますが、バルーンパフォーマンスを楽しんでいるお客様の喜び具合には、嫉妬感すら覚えることがあるくらいです。

バルーンパフォーマンスのジャンル

私は色々な現場でバルーンパフォーマーと一緒に仕事をした経験から、あることに気がつきました。それはパフォーマーによって、作る作品の大きさが違うということです。

数本の風船で作品を作る方もいれば、何十本もの風船を絡ませることで、巨大な作品を作る方もいます。

そこで、あるバルーンパフォーマーさんと話をする機会があったので、この違いについて聞いてみたところ、バルーンパフォーマンスには二通りのジャンルがあることを知ることができました。

それは「バルーンアーティスト」と「バルーンパフォーマー」と言う2つのジャンルです。

バルーンアーティストとは

バルーンアーティストは、風船を使ってアート作品を作ることを専門としています。アートを専門とするため、お客様を笑わせたり楽しませたりするエンターテイメント性よりも、作品のアート性がより重視されます。

以前、ある現場でバルーンアーティストの方と同じ楽屋になったことがあります。

色とりどりの細長い風船を次々とひねり、ウェディングドレスや子供に大人気の巨大なネズミのキャラクター、雪をモチーフにした女王などを作っているところを間近で見ることができ、とても感動したことを覚えています。

ただ、このような巨大な作品になると、1つ完成させるためには数時間かかってしまいます。

そのため、ショーの前にあらかじめめ顔や胴体といったパーツをそれぞれ作っておき、本番ではそれらのパーツを合体させ、作品を完成させていくショーを行なっていました。

このように、バルーンアーティストはじっくとりと時間をかけ、アーティスティックな作品を作ることで、お客様を感動させるパフォーマンスです。

バルーンパフォーマーとは

バルーンパフォーマーも風船を使って作品をつくりますが、バルーンアーティストと比べると、必ずしもたくさんの風船を使って作品を作るというパフォーマンスではありません。

その理由は、バルーンパフォーマーはアート作品をつくることよりも、風船を使ってお客様を笑わせたり、楽しませたりするエンターテイメント性がより重視されるからです。

たとえ使用する風船の本数が少なくとも、作品を完成させるまでの間に、ジョークやコミカルなやり取りを挟みながらお客様を楽しませます。短時間でお客様を楽しませる必要があるため、トークやコミュニケーションの力がより重要になります。

そのため、レストランのイベントや、路上パフォーマンス、屋外イベントといった、お客様とのコミュニケーションがより必要になる場所では、最適なパフォーマンスであると言えます。

バルーンパフォーマンスもマジックと同様に、年齢や性別に関わらず誰もが楽しめるエンターテイメントです。

マジックの場合、不思議さをしっかりと体験してもらうためには、マジックを行なっているその過程をしっかりと認識してもらう必要があります。

一方、バルーンパフォーマンスでは、不思議さよりも見た目の楽しさがより強調されます。そのため、例え途中から見たとしても楽しむことができることは、マジックにはないメリットと言えます。

このように、バルーンパフォーマンスはイベントを盛り上げる人気のアトラクションです。何かイベントを企画する際は、上記の違いを考慮に入れて選んでみて下さい。