タレント業務で同業他社を話題にしてはいけない理由

タレント業務で同業他社を話題にしてはいけない理由タレント活動をしていると、企業イベントに呼ばれることがあります。このとき、同業他社のことを話題に出すとクレームになります。

面白半分で同業他社の話題を出すことは許されないのです。想像以上に企業は同業他社を意識していると認識して下さい。

私のマジシャン初心者の頃の失敗談

私はプロのマジシャンです。マジシャンになった最初の頃に、デパートのイベントでクレームになったことがあります。

その時は、デパートのセールイベントでマジックを披露する仕事でした。

すぐ近くにはライバルデパートがたくさんあります。

悪気はなかったのですがノリで、「〇〇デパートもセール中ですが、みなさまはこちらのデパートでぜひお買い物を楽しんで下さい」というようなニュアンスの発言をしました。

すると、ショーが終わった途端に「他のデパートの話題は出さないで下さい」と注意されました。

このときは、その場で注意されただけで済みました。しかし、もっと大規模で社運をかけた新製品を発表するようなイベントの場合は、注意だけでは済まされません。

場合によっては、損害賠償金が発生することも考えられます。

私はそれ以来、企業イベントに呼ばれてショーを行うときは、一切同業他社の話題を出さないようにしています。また、同業他社の製品も使わないようにしています。

ただ、こういった失敗を経験したことがないタレント初心者は、これらの重要性を理解していません。そこで、もう一つ印象に残っているクレームの実例をご紹介します。

同業他社に触れてはいけないと痛感したイベント

飲料メーカーのイベントでのことです。複数のマジシャンが全国各地で、ある飲料メーカーのビールのPRのために、マジックショーを行う仕事でした。

マジックはさまざまな道具を使います。ときにはジュースや水といった、一般的に売っている製品を使う場合があります。

このとき、あるマジシャンが同業他社の水を使ってマジックをしました。ビールではないから大丈夫だと思ったのでしょう。ただ、どのビールメーカーも清涼飲料水を販売しています。そのため、クレームになりました。

例え、ビールのPRイベントでも、同業他社の水を使うことは許されません。

また、あるマジシャンが、ショーで使った「音楽」についてもクレームになりました。ステージマジックショーを行う場合、会場を盛り上げるために音楽を使います。

この音楽が、同業他社がCMで使っている曲と同じだったので、クレームになりました。とにかく、ライバルである同業他社を連想させるようなことは、一切NGということです。

この時は、さすがにこのイベントに係わったマジシャン一同驚きました。そして、改めて企業イベントでは、「同業他社に関連する一切のことを話題にしてはいけない」と痛感させられました。

企業の仕事で油断と勉強不足は致命的

タレントは、時には企業にうかがって打ち合わせをすることがあります。このときも注意が必要です。油断していると、衣服や何気なく買った飲み物が、同業他社の製品である場合があるからです。

この場合も、クライアントに良い印象は与えません。しっかりと、持ち物がどこの会社の製品か確認する必要があります。

例えば、飲料メーカーの場合、手荷物に入れるペットボトルはそのメーカーの物にします。

ブランドイメージを強く打ち出している衣料品メーカーで、あなたがそのブランドの服を持っていないのであれば、ノーブランド品の服を着て行くようにします。

以上のことから、タレントが企業の仕事を受ける場合、その企業の製品やサービスについて、あらかじめ勉強しておくことが大切です。

大企業は一般的に知られていないことまで、幅広く事業展開していることがあります。あらかじめ企業について調べておけば、ミスを未然に防ぐことができます。

あなたがタレント初心者で、企業の仕事を受けたときは、この記事のことを思い出して下さい。大げさに思えるかもしれませんが、これが事実です。

同業他社のことを話題にするようなタレントには、クライアント企業も心配なので仕事を依頼しません。

タレントの仕事の多く企業からの依頼です。

そのため、クライアント企業のためになることをしっかりと考え、同業他社のことは一切話題にしないことが、タレント業務を長く続けるために重要なことです。