劇場イベントや芸術鑑賞会で盛り上がる人体浮揚マジック

劇場イベントや芸術鑑賞会で盛り上がる人体浮揚マジック宇宙空間で人が浮くのは当然です。しかし、地球で人を浮かすことは不可能です。そのため、人間にとって「空中に浮かぶ」ことは、一度は叶えてみたい憧れと言えます。

この憧れを、マジックという仕掛けを使うことで、擬似的に可能にしたのが人体浮揚マジックです。

デビッド・カッパーフィールドの人体浮揚マジックは異次元レベル

私が見た人体浮揚マジックで、本当に自由自在に空中を飛び回っているようにしか思えなかったのは、アメリカのマジシャン、デビッド・カッパーフィールドが演じた「フライング」です。

これを見た時は、タネを詮索するといった野暮ったい考えには至らず、ただただ、彼が想像したマジックの世界観に陶酔していました。

しかし、このマジックを行なうには、とてつもない装置と舞台設備が必要になるため、市民ホールやホテルの宴会場、学校などで演じるのは不可能です。

そのため、国内で人体浮揚マジックを行なうには、実用的な手法をとるしかありません。

人体浮揚マジックの労力

多くの人がイメージする人体浮揚マジックは、アシスタントが仰向けに寝て、マジシャンがおまじないをかけると浮かび上がり、さらに「糸で吊ったりしていない」と確認するため、切れ目のない輪を浮いた人に通してみせるようなことではないでしょうか?

テレビのマジック番組でもよく見かけるので、いちどは見たことがあると思います。

他にも、2つ並べた椅子にアシスタントが仰向けに寝転び、片方の椅子を取り除くと、倒れることなく浮いているマジックや、座禅を組んだ状態で浮かび上がるものなど、いろいろと種類があります。

これらのマジックは、簡単に演じているように見えますが、実はマジシャンやアシスタントは、かなりの労力を費やしています。

マジックの中で、ものを浮かすマジックは最も難しく神経を使います。

お札やタバコを浮かすだけでも神経を使うので、人を浮かすとなれば、その何十倍も神経と労力をつかうことになります。

ちなみに、上の写真で私が演じているのは、座った状態で浮かび上がる人体浮揚マジックです。

あぐらをかいているように見えますが、実は「安座」という座り方をしています。安座はヨガをするときの座り方です。

両足の外側のくるぶしを太ももの内側に置くようにして座ります。実際に座ってみると分かりますが、慣れない人がやると筋が引っ張られてかなりキツいと思います。

この人体浮揚マジックを行なうには、まず安座ができるようになる必要があります。

人体浮揚マジックのメリットとデメリット

人は人間が浮くことに興味を持っています。一昔前、世間を騒がせた新興宗教のパンフレットにも、そのような写真が掲載されているほどです。そのため、多くの人が身を乗り出して人体浮揚マジックを楽しんでくれます。

また、「人が浮く」という単純で分かりやすいマジックなので、芸術鑑賞会や市民ホールの催しなど、大人から子供まで多くの人が集まるイベントでとても喜ばれます。

ただ、前述したとおり、人を浮かすマジックはとても神経と労力をつかいます。

雰囲気を作るための音響設備や、仕掛けに気づかれないようにするための照明設備などが必要になります。

人体浮揚マジックは、種類によってはどこでもパフォーマンスできるわけではありません。ある程度、舞台環境が整ったステージでなければ演じることができない場合もあります。

「演じる場所を選ぶ」ということが人体浮揚マジックのデメリットです。

このように、人体浮揚マジックを演じるには制約がありますが、制約がクリアされた場所で演じれば、とても豪華なマジックショーになり、イベントが大いに盛り上がります。

ぜひ、人が間近で浮かび上がる奇跡を実際に体験してみてください。