マジックが子供教育に与える影響

マジックが子供教育に与える影響5才前後の物心が付いてきた子供は、色々なことに興味を持ち始めます。男の子と女の子の興味の違いも、このころから顕著に現れます。

例えば男の子であればプラモデルを組み立てたり、女の子であればおままごとに夢中になったりします。

このように、子供が自ら率先して興味を持ったことに取り組むことは、道具の使い方やその応用の仕方といったことを、自然と学ぶことにつながります。

また、手先を使った作業を行なったり真似ごとをしたりすることは、子供の発育にもとてもよいと言えます。

物事は全て合理的な理論の上に成り立っている

世の中にあるすべての物事は、合理的な理論の上に成り立っています。そのため、何故そのようになるのかを考えるときは、その理論を紐解いていけば理解できます。

そして、当然ながらマジックも理論に従って成立しています。

マジックでは一見、世の中の理論に当てはめることができないような不思議な現象が起こります。それは、マジックが常識では考えられないことを起こすための理論の上に成立しているからです。

子供がマジックのタネを考えることで得られるメリット

マジックの不思議さは、好奇心が旺盛な子供にとってはとても興味深い現象です。そのため、「なぜ常識では考えられないことが起きるのか」というように、その理由(タネ)を考えることは、子供が物事を深く探求する好奇心を刺激します。

上述のとおり、マジックは全て「不可能に見せるための理論」の上に成り立っているので、必ず考えれば答え(タネ)が分かります。

子供がタネを知るために一生懸命努力をして考えた結果、タネを紐解くことができたとします。それは、子供にとって大きな達成感を経験することにつながります。

このようにマジックのタネを考えることは、子供に早い時期から「努力すれば報われる」という、達成感を経験させることができます。そしてこの経験は、子供がこれから成長していく上で必ず必要となる大切なことです。

またマジックのタネは、人の思い込みと素材の特性を活かした単純なことである場合がほとんどです。人の盲点を利用し、本来の使い方とは違う素材の使い方をすることでマジックは成立しています。

これは子供に物事をありのままではなく、「違った角度から捉えることの大切さ」も経験させることにつながります。

子供の考える力を刺激するマジックの選び方

マジックを通して、子供に上記のような経験をさせるためには、仕掛けが単純で道具の特性を活かしたマジックの方が効果的です。そのようなマジックは、子供の想像力を刺激するからです。

玩具店に売っている手品道具は、売るためのマジックなので、逆に仕掛けが良くできすぎています。もちろん、マジックを本格的に行うためにはそういった仕掛けも必要です。

しかし、子供にはそのようなできすぎた仕掛けのマジックでは、タネが分かった時点ですべてを知ったつもりになり、すぐに興味をなくしてしまいます。

それよりも、子供にとっては単純な仕掛けで「なるほど!」と思わず手を叩いてしまいそうなマジックが好ましいと言えます。

例えば、ハンカチを手の中に押し込むと玉子に変わる、輪ゴムに通した5円玉が移動する、ハンカチに包んだコインがハンカチを通り抜ける、割り箸が手のひらに吸い付くといったマジックです。

ポイントは日常生活で当たり前のように使っているものを、少しだけ工夫したり手を加えることで成立させたマジックです。

そのようなマジックは、単純に本屋に売っている手品の本で十分おぼえることができます。

ただ、この時はカードマジックやコインマジックといった、より専門的な分野の解説本ではなく、本当に初心者向けに書かれている本の方が、子供の好奇心を刺激する内容が多く解説されています。

選ぶ規準としては、すこし立ち読みをして分かりやすいと感じた本です。専門的な本は難しい技法や手順の解説が多いので、本を開いた瞬間に読む気がなくなります。

そのような本ではなく、これなら「私にもできそう」と感じた本です。そして、本であれば1000円も出せば買え、多くのマジックを覚えることができます。

以上のように、マジックは子供の教育に活かすことができるので、、あなたもぜひ行なってみて下さい。

私はマジシャンなので、マジックのタネを安易に教えることは好ましいとは思えません。

しかし、子供教育を目的としてタネを活用し、わかりやすく「考える楽しさ、応用する力」を教えることは、マジシャンが担う責務であると考えます。