タレントはデリケートなメンタルや演技では現場対応できない

タレントはデリケートなメンタルや演技では現場対応できないスポーツカーはとても刺激的です。スタイリッシュでスピードも速く、男性であれば「一度は乗ってみたい」と憧れるはずです。

しかし、スポーツカーはその代償としてデリケートです。

ガソリンはハイオク専用、オイルは指定された高性能オイルでなければNG、タイヤも高額です。そのわりに、最高のパフォーマンスが発揮できる場所は、舗装されたサーキットのみです。

いっぽう、商用車は実用性重視のため、デザインやスピードは期待できません。しかしながら、スポーツカーのようにデリケートでもありません。

ガソリンはレギュラー、オイルは何でもOK、タイヤも低額です。

よほど荒れた道でなければ、どこでも問題なく走ることができます。基本的なメンテナンスさえ行なっていれば、大きく故障することもなく、長期間使えます。

なぜこのような話をしたかというと、あなたがマジシャンやお笑い芸人といったタレントを目指す場合、商用車の感覚が必要になるからです。

デリケートな演技はプロのタレントには求められない

パフォーマンスを行う環境は、その時々で違います。お客様の人数や年齢、場所などが毎回異なるので、全く同じ環境で演じることはありません。

どのような状況でも、より多くのお客様に確実に楽しんでいただくためには、デリケートすぎる演技だと対応できる範囲が限定されてしまいます。

そのため、メンテナンスが楽で、どんな道でも走行できる商用車的な感覚が必要となります。

私はプロのマジシャンです。例えば、仕掛けがしてある特注の衣装を着て、ようやく凄いことができるパフォーマンスを作ったとします。

しかし、逆に言えばその衣装を着ていなければ演じれないことになります。

プロマジシャンの現場は過酷です。楽屋がなく狭い倉庫のようなところでしか準備ができず、思うようにネタのセッティングができないことはよくあります。

また、出番が早まったり、遅れたりすることも日常的です。

このような想定外の状況に遭遇しても、プロのマジシャンであれば、対応しなければなりません。

このとき「こんな狭い所ではタネが仕込めない」とか、「急に出番と言われてもタネのセッティングに時間がかかるから無理」などと言ってはいられないのです。

プロのマジシャンは、変化する現場の状況に素早く対応できる能力が求められます。

そのため、凄いパフォーマンスができたとしても、準備がデリケートで想定外のトラブルに対応できないパフォーマンスは望ましいとは言えません。

もし、あなたが何かパフォーマンスを考えているのであれば、それは衣装を選ばず、想定外のトラブルにも対応できることを前提として考える必要があります。

お客様にとってタレントのデリケートなメンタルはどうでもよい

これは、メンタル面でも言えることです。

例えば、お笑いタレントのメンタルがデリケートすぎると、お客様の集まりの悪さや反応の薄さを気にしてしまい、本来の実力を発揮できなくなってしまします。

しかし、来てくれたお客様は「心の底からお笑いを楽しみ、笑い転げたい」と思い、チケットを購入してくれています。お客様にとって「タレントの気分が上がらない」といったことは、どうでもよいことです。

プロのお笑いタレントであれば、そういったことを気にしている場合ではありません。

例え集まってくれたお客様が少なく、リアクションが悪くても、いつもと同じテンションで楽しいショーを届けることが、来てくれた人に対しての恩返しだからです。

このように、タレントはスポーツカーのように、演技やメンタルがデリケートであると、さまざまな現場状況に対応できなくなってしまいます。

そのため、タレントが如何なる状況でも確実にパフォーマンスするためには、商用車のように簡単なメンテナンスでどこでも走れる実用性と、細かいことを気にしないメンタルが求められます。