私はマジシャンとして活動しておりますが、その中で多くのパフォーや役者さんと知り合える機会があります。すると、さまざまな話を聞くことができます。
そこで、モデルやタレントに憧れを抱いているあなたに知っておいてもらいたいことを話します。
モデルやタレントは誰でもなれる
この記事を読んでいる方の中には、モデルやタレント、俳優になりたいと思っている方がいらっしゃると思います。では、どうすればなれるかというと、今すぐ誰でもなれます。
例えば、マジシャンにはライセンス(資格)がないので、自分で「今日から私はマジシャンになります」と宣言してしまえばマジシャンです。
モデルやタレント、俳優も同じです。
国家試験のような、絶対にこの試験に合格しなければなれない、という資格が必要なわけではありません。宣言すれば誰でもなれてしまいます。
しかし、宣言したところで、仕事のオファーが来ることはまずありません。そこで、タレント事務所が行う公開オーディションに応募してみたり、プロフィールを作り、事務所に送ったりする必要があります。
ここで、私がマジシャンになるために通った大まかな道筋を説明します。
私は中学3年の時にマジックに夢中になり、大学を卒業するまで独学で勉強していました。大学卒業後は、東京マジックという手品道具の通信販販売会社に入社しました。
その会社は、「トランプマン」という有名なマジシャンが経営する会社でした。私はそこで商品の翻訳や発送などの業務をしつつ、トランプマンのテレビ撮影にも同行させてもらい、マジック業界を勉強しました。
また、そこでは多くの人との出会いがあり、人脈を広げることができました。
退社してからはその人脈のおかげで、地方営業の仕事を頂いたり、マジックバーでの案件を紹介してもらったりして、プロのマジシャン業に移行していきました。
プロのマジシャンになってからはプロフィールを作り、マジシャンやパフォーマーを派遣する業者にプロフィールを送り、活動の範囲を広げていきました。
このように私は、プロのマジシャンになるための社会勉強を実学から学ぶことで、ようやくマジシャンとしてスタートすることができました。
一方、あなたが既にモデルやタレントになるために必要な、勉強や経験を積んでいるとは限らないと思います。単なる憧れであったり、どうすればなれるのかと真剣に考えたりしている段階かもしれません。
モデルやタレントに容姿は関係ない
また、モデルやタレントは、美男美女でないとなれないと思っている方がいるもしれませんが、そんなことはありません。テレビを見れば分かりますが、主役以外にもエキストラというたくさんの人が出演しています。
エキストラの方は、れっきとしたプロのタレントです。お年よりもいれば赤ちゃんもいます。太っていたり、髪の毛が薄い人などさまざまですが、立派なタレントなのです。
その為、先ずあなたは主役級のトップスターではなく、名もないエキストラから入ることになります。
タレントになるための準備と注意事項
タレントの卵になるためには先ず、プロダクションに入るのが良いでしょう。プロダクションを探すのは簡単で「タレント、募集」とか「エキストラ、募集」とインターネットで検索すればでてきます。
また、駅やコンビニなどに置いてある、仕事探しのフリーペーパーにも掲載されていることもあります。
ここで注意しなければいけないのが、「日給1日5000円~30000円! 空いている時間でしっかり稼げる!」みたいなキャッチコピーで募集しているところです。
このような所は、実際に仕事をする前に登録料やレッスン代といった名目で高額な金額を請求されます。そして入ってみても仕事はほとんどないでしょう。あったとしても、怪しい仕事ばかり斡旋されるだけです。
そもそも全くの未経験者が、いきなりタレント業務を行えるほどタレント業界は甘い世界ではありません。
こういった業者は、安易な憧れを抱いている人に、言葉巧みに夢を見させてお金を拝借していきますので、くれぐれも気をつけなければいけません。
タレント業務は甘くない
ただ、優良なプロダクションであっても最初にお金はかかります。具体的にはプロフィール制作料、プロフィール管理料、写真撮影代などが必要です。さらに、事務所への登録料やレッスン代が加算されるところもあるので、それなりの金額になります。
タレント業務は、未経験者がいきなりできる優しい仕事ではありません。
そのため、最低限のレッスンは受ける必要があります。未経験者がタレント業務を行うには、立ち振るまいはもちろん、礼儀、時間厳守の徹底、守秘義務の約束、業界用語……と、たくさん覚えることがあります。
そういったことを覚えて、ようやく案件がまわってきます。
しかし、このときのギャラは交通費を払ったら何も残らないレベルです。例えば、ギャラが10000円だとします。事務所が4割(4000の仲介料)をもって行くと、あなたに支払われるのは6000円です。ここから源泉が10パーセント引かれるので、手取りは5400円です。
さらに、エキストラは一番下っ端です。現場に早く入り遅くでるので、拘束時間は長くなります。撮影は一回で終わることはなく、何度も繰り返されるので、ものすごく時間がかかります。
このように、タレント業務は楽して短時間でたくさん稼げる仕事ではないことを、まずは知る必要があります。
そもそも、あなたに「才能や光輝くダイヤの原石オーラ」があれば、スカウトされたり事務所サイドからオファーされたりします。
このような場合、登録料はもちろんレッスン代から写真代にいたるまで、全て事務所が負担してあなたを育ててくれます。
しかし、99.9パーセントの人はまず、そのようなことはありえません。
そのため、タレントやモデルになりたい場合は、真面目に行っているプロダクションを自ら探す必要があります。そして金銭面の確認もしっかりと行うことが大切です。
「おいしい話やウマい話には必ず何か裏がある」と疑いを持ち、すぐに話しに乗ってしまうのは危険ですのでやめましょう。
冷静に考えて、それでもタレントやモデルになりたいという強い気持ちがあれば、一生懸命めざしてみるとよいと思います。