タレント活動をする場合、ピンマイクを使うことがあります。ピンマイクとは、襟や口元に付ける小型マイクのことです。両手を自由に使うことができ、とても便利です。
そのため、舞台やテレビ撮影、イベントなど、多くの現場で使われています。しかし、使用するときには細心の注意が必要です。
そこで、私がマジックの仕事で経験した、ピンマイクを使用する際の注意点について解説します。
ピンマイクのスイッチは切り忘れる
ハンドマイクの場合、マイクを口元から離せば音は拾いません。しかし、ピンマイクはマイクが常に口元にあるため、小さな声でも拾ってしまいます。
また、ハンドマイクは手元でスイッチのオン、オフができます。それに対してピンマイクでは、スイッチがマイクとは別のところにあるので、切り忘れてしまうことがあります。
そのため、スイッチを切り忘れた状態で余計な話をしたり、くしゃみをしたりすると、全て筒抜けで聞こえてしまいます。
ここで、ピンマイクの切り忘れで起こったトラブルをご紹介します。
そのときは、マジシャン数人でテーブルマジックを行なっていました。そのうち一人だけは、ステージショーも行うため、ピンマイクを付けていました。
しかし、お客様はテーブルマジックでかなり満足してしまったので、その後のステージマジックショーまで集中力が続かず、あまり盛り上がりませんでした。
そのため、そのマジシャンはショーが終わり、舞台袖に戻ってきたときに、不満をつぶやいてしまいました。
この時、ピンマイクのスイッチを切り忘れていた為、つぶやいた不満が会場に聞こえてしまい、後で大問題になったことがあります。
また、私もピンマイクによるトラブルを起こしたことがあります。
大型クルーズ客船で仕事をしたときのことです。長旅になるので、マジックショーや手品教室を行い、お客様に楽しんでいただいていました。
その日は海が大荒れで、かなり大きな客船でも棚が倒れるほど激しい揺れでした。
そのような状況の中、その日は手品教室のスケジュールが入っていました。ところが、私の気分が始まる前に悪くなってしまいました。しかし、何とかなるかと思い、酔い止めも飲まず手品教室を行いました。
すると、気分がますます悪くなり、それ以上続けることはできず、早めに終わらせトイレに駆け込みました。
この時、ピンマイクのスイッチを切る余裕がなく、聞き苦しい音が会場に聞こえてしまい、スタッフが慌てて飛んできて、スイッチを切るよう言われたことがあります。
このようなことにならない為にも、ピンマイクを付けているときは、常に「スイッチが入っていて音声が拾われている」と意識することが大切です。
オペレーターに音声は聞こえている
また、音声はスピーカーからは聞こえていなかったとしても、音響オペレーターがいる場合は、オペレーターに筒抜けで聞こえています。
そのため、うっかり悪口や不満などを言ってしまうと、他のスタッフにも話が伝わってしまいます。ピンマイクを付けているときは、くれぐれも余計なことを話さないように心がけて下さい。
タレント業務を行っていると、理不尽な思いをすることもあるり、つい不満を口にしたくなることもあります。
しかし、その内容が聞かれてしまったら、せっかく積み上げできた実績が台無しになってしまうこともありえます。
そのようなことにならないためにも、ピンマイクを使って仕事をしているときは、「常にピンマイクを付けている」と意識し行動することが大切です。
タレント初心者のころは、こういった失敗経験がないので、ピンマイクが引き起こすトラブルなど考えもしないと思います。
ピンマイクを付けて仕事をするときは、この記事のことを思い出して、要らぬトラブルを引き起こさないように注意していただければ幸いです。