私はマジックを仕事としているプロのマジシャンです。マジシャンをはじめ、他のジャンルのタレントにも知り合いがいます。
私の知り合いのタレントの中には、ギャンブルが好きな人もいます。ギャンブル好きはタレントに限ったことではありませんが、割合としては多いように感じます。
その理由として、①タレントは朝から晩まで行なう仕事ではないので空き時間がある。②過度のストレスから逃れるため。③安定しない収入をギャンブルで補おうとする。といったことがあげられます。
そのため、パチンコや競馬などにハマってしまう人がいます。
しかし、当たり前ですが、ギャンブルは胴元が儲かるようになっています。熱くなれば損が膨らみ、いつしか借金してまでやるようになってしまいます。
人は損するとより大きなダメージを受ける
ギャンブルが止められない理由は、人は儲けたときより損したときの方がより心に大きなダメージを受けるからです。このことは、実際にプロスペクト理論として一般的に知られています。
例えば、パチンコで1万を使って、2千円儲かった場合と、2千円損した場合があったとします。このとき2千円儲けた場合の喜びより、2千円損した場合のダメージの方が大きいということです。
儲けた場合も、損した場合も同じ2千円です。本来であれば、儲けた場合の喜び指数が10だとしたら、損した場合のダメージ指数も10のはずです。
ところが、損した場合にはがダメージ指数が30ぐらいになってしまうということです。
そのため、損をすると損を取り返そうという気持ちになり、追加でお金を投入してしまいます。
さらに悪いことに、「人はある程度損が膨らむと、損に対してのダメージが和らいていく」とプロスペクト理論では言われています。
つまり、損が万単位、十万単位……に膨らめば膨らむむほど、損している感覚がなくなってしまうということです。
これはギャンブルでお金を損することに慣れてしまうからです。
こうなると、ギャンブルをすることが日常になってしまい、お金がいくらあっても足りない人生を送ることになります。
違法なギャンブルには手を出さない
ギャンブルは、パチンコや競馬で満足できていれば、まだ抜け出せる可能性はあります。しかし、違法なギャンブルにまで手を出してしまうと、自分自身の問題だけでは済まなくなるので大変です。
以前、知り合いのタレントで、裏カジノにハマってしまった人がいます。
せっかく仕事が波に乗っていたのに、違法ギャンブルに手をだしたため、最後は知り合いに「お金を貸してほしい」と頼み込むようになってしまいました。
周りの人も、彼が違法カジノで借金をしたという噂を聞き、次第に距離を置くようになってしまいました。
タレントは安定しない職業ですが、夢もある仕事です。ふとしたキッカケで売れると、大金を手にして気が大きくなります。
しかし、人気がずっと続くとは限りません。
大変なときでも安心してタレント活動するために、ギャンブルにお金を使いすぎてはいけません。そのお金を貯金や、さらに技術を磨くための投資に使ったほうが、成功する可能性が広がります。
もし、あなたがギャンブルにはまっていると思ったときは、プロスペクト理論を思い出してください。
最初は損を取り返そうとヤケになり、次に損が膨らむと損することに慣れ、最後は金銭感覚が麻痺してだれも相手にしなくなってしまいます。
ギャンブルは適度に遊ぶだけであれば、気分転換にもなり、悪いことではありません。
ただ、依存してしまう可能性は誰にでもあります。くれぐれも、借金をしてまでギャンブルをやらないように気をつけてください。