レストランオーナーが知るべきテーブルマジックを行う際の注意点

レストランでテーブルマジックを行う際の注意点
レストランでテーブルマジックのサービスを行う場合、注意しないといけないことは、全てのテーブルでマジックを行うかどうかということです。

テーブルマジックは、目の前でテレビで見るようなマジックが見れるため、とても人気があります。

お客様のテーブルで実際にマジックを行うと、想像以上の不思議さで大変よろこんで頂けます。すると、他のテーブルのお客様も気になり始め、「自分たちのテーブルでもマジックを行なって欲しい」と次々と手が挙がります。

しかし、ここで気をつけなければいけないことは、テーブル数が多く、マジシャンが一人の場合だと、全てのテーブルを回りきれなくなってしまうことです。

テーブルマジックが同じ時間に集中する理由

レストランでマジックを行う場合、お客様は入ってすぐマジックを見たいとは思いません。料理を食べ、少し落ち着いたころに、マジックのオーダーが入ることが多いです。

そのため、マジックの依頼はデザートタイムに集中します。

お客様にとってベストな時間にマジックのサービスが行えるテーブルは、どうしても限られてしまうのが現状です。

したがって、もし全てのテーブルでマジックを行う場合は、食事の時間全体を通してまんべんなく回らなければ、全テーブルを回り切ることはできないのです。

そのような場合、お客様には、マジックは食事の時間のどこかのタイミングで入る旨を、あらかじめ伝えておく必要があります。

お客様のためを思った策が裏目に出た実例

以前、あるホテルのレストランで、夏休みとクリスマスシーズンに行う季節のイベントとして、テーブルマジックを行なったことがあります。時間帯はディナータイムで18時から21時の間です。この間にお客様は2回入れ替わります。

季節のイベントであったため、お客様は家族連れ方が多かったです。また、テーブルマジックを売りにしたイベントのため、お客様はとてもマジックを楽しみにしていました。全てのテーブルでマジックを行わなければ、完全にクレームが出る状況です。

このときホテル側は、マジックをやり残してしまうテーブルを作らないためと、お客様にベストな時間にマジックを見ていただくために、「マジックプリーズカード」をつくりました。

このカードは全てのテーブルに置いてあり、お客様がマジックを見たくなったら、そのカードを立てます。すると、マジシャンがカードが立ったテーブルに伺い、マジックを見せるというシステムです。

マジシャンやスタッフにしたら、お客様がマジックを見たいと思っているタイミングが分かるので、ありがたいシステムのように思えます。

お客様にとっても、見たいタイミングでマジックを見ることができるシステムです。

しかし、いざ始まってみると、見事なぐらいカードが立つタイミングが同じでした。こうなると大変です。マジシャンは一人しかいないので、多くのお客様はマジシャンが来るのを待つことになります。

ここで、もしマジックの時間を短縮してしまうと、せっかくマジックを楽しみにしていたお客様をガッカリさせてしまうことにもなりかねません。

このときは、スタッフが状況を丁寧に説明して、多少お客様を待たせてはしまいましたが、丁寧にマジックをお見せしました。

何とか無事に終わりましたが、「マジックプリーズカード」は、一歩間違えればクレームになったかもしれない危険な方法でした。

お客様にとって最適なタイミングを把握する重要性

マジシャンもレストランも、お客様のことを第一に考え、サービスをすることは大切です。

しかし、前述のように、お客様の要望に100パーセント応えなければいけないシステムを、レストラン側がわざわざ作ってしまうと、そのシステムが逆に裏目に出てしまうこともありえます。

マジックはデザートタイム以外でも、食事と食事の合間に見せることで喜ばれます。その方が、お客様もたっぷりマジックを楽しむことができます。

その際、お客様には「お食事の何処かのタイミングで必ずマジシャンが訪れます」と最初に伝えておきます。そうすれば、ある時間帯にマジックのオーダーが集中することを避けられます。

以上のことから、レストランでテーブルマジックのサービスを行う場合、レストラン側がお客様のタイミングを見計らって、テーブルマジックのサービスをすることをお勧めします。

その方が、お客様はより長くマジックを楽しむことができ、満足度も高まります。満足度が高まれば、口コミやリピートでお店がより繁盛することにつながります。