タレント活動をしていく上で、専門性を身につけることは重要です。一つの分野に特化した専門性を身に着けていれば、その分野の専門家とみなされ、仕事を依頼されることが多くなるからです。
先ずは一つの専門性を身に付ける
例えば、モデルはデザイナーが制作した衣服の素晴らしさを、最大限に引き出せる技術が求められます。
そのために、女性モデルであれば、しなやかなボディーラインを作るために、健康的な食生活を心がけトレーニングを重ねます。
男性モデルであれば、体脂肪を減らし、筋肉を付けるためにジムに通います。
また、テレビ番組やイベントの司会者の場合、相手に聞き取りやすい滑舌や、声の大きさ、話すスピードが求められます。
話すという当たり前のことでも、人前で話せるようになるには、何年にも及ぶトレーニングと経験が必要になります。
一つの専門性を身につけることは、努力と経験を積み重ねる必要があり、簡単なことではありません。
これが、専門的技術を身に付けたタレントの方が、より多くの仕事を依頼される可能性が高くなる理由です。
逆に、中途半端に何でもできてしまうと、相手はあなたの魅力が何であるのか理解できません。「これを任せるならあなたしかいない」と思ってもらえないので、仕事はなかなか決まりません。
そのため、これからタレントを目指そうと考えるのであれば、まず一つの分野の専門性を身につけることが大切になります。
専門性を増やすことの重要性
タレントが専門性を身につけることは大切です。しかし、専門的にできることが少なすぎると、仕事の幅が狭くなります。
仕事の幅を広げるためにも、専門的にできることを増やす必要があります。
私はプロのマジシャンです。目の前で見せるテーブルマジックから、大きな舞台で行うイリュージョンマジックまで、いろいろなマジックを行います。
マジックはテーブルマジック、ステージマジック、イリュージョンマジックという3つのカテゴリーに分けられます。私は、今でこそ全てのカテゴリーのマジックを行なっていますが、最初から全てできた訳ではありません。
最初はテーブルマジックから始めました。そして、テーブルマジックで腕を磨いた後に、ステージマジック、イリュージョンマジックと、できるマジックのカテゴリーを増やしていきました。
マジックの仕事は、一般的な仕事と比べると多くはありません。しかし、演じる場所は少人数のパーティーであったり、結婚式であったり、大きなホールであったありとさまざまです。
この時、もし専門的にできる分野をテーブルマジックだけに絞ってしまったとしたら、他のカテゴリーの仕事が依頼された場合、断らなくてはなりません。
せっかくの仕事を断ってしまっては、次につながるチャンスを逃してしまうかもしれません。私はマジシャンとして長く活躍したいと思っています。
そのため、演じることができるマジックのカテゴリーを増やし、仕事の幅を広げるための努力をしてきました。
これらのことは、これからタレントを目指す人にもそのまま当てはまります。
タレントは確かに多くのことができた方が良いです。しかし、あれこれ手を付けても、そう簡単に専門的技術を身に付けることはできません。
専門的技術を高め、うまく活用できるようになるためには、先ず一つの分野に集中して取り組むことが、上達への近道です。
最初は何もできなくて悔しい想いをすることもありますが、焦らず一つずつ専門的技術を身に付けて下さい。