クロースアップマジック(相手の目の前で見せるマジックのこと)で、想像以上にお客様に喜ばれるマジックがあります。それは輪ゴムを使ったマジックです。
もちろん、トランプやコイン、コップ、ハンカチなどを使ったマジックも喜んでもらえます。ただ、このようなマジックは「仕掛けがあるからできる」と思われてしまいます。
ところが、輪ゴムを使ったマジックはそうは思われません。日常的にありふれた物を使い、相手も散々タネも仕掛もないと確認してから演じるからです。
輪ゴムマジックの名作「クレイジーマンズハンドカフ」とは
輪ゴムマジックの中でも特に有名なのが、2本の輪ゴムを交差させて軽く引っ張ると抜けてしまうマジックです。「クレイジーマンズハンドカフ」というマジックで、多くのマジシャンによって演じられています。
目の前で繰り返し演じることが可能で、更に相手に片方の輪ゴムを持ってもらった状態でも演じることができてしまいます。
この場合、相手は実際に輪ゴムが通り抜ける瞬間を体感することができます。特に女性に見せた場合、声に出して驚いてくれます。
クレイジーマンズハンドカフのメリット
クレイジーマンズハンドカフのメリットは、さり気なく相手の興味を引くことができる点です。マジックは「見せよう」「笑わそう」という気持ちが強すぎると、かえって相手に警戒されてしまいます。
それよりもさり気なく見せたほうが、相手も自然にマジックの世界に入り込むことができます。
商品のセールスや勧誘でも、「売ろう」「誘おう」という気持ちが強すぎると、かえってお客様は警戒心を強めてしまいます。
これと同様のことがマジックを演じる際にも言えます。
クレイジーマンズハンドカフは、腕に輪ゴムを巻いておけばどこでも演じることができてしまいます。トランプや怪しい手品道具を取り出す必要もないので、さり気なく見せることができます。
クレイジーマンズハンドカフのデメリット
クレイジーマンズハンドカフのデメリットは、地味で特別感がないところです。
クレイジーマンズハンドカフは、準備やリセットをする必要がありません。さらに、これほど手軽で盛り上がるマジックはそうそうありません。
マジシャンにとって、これほど便利なマジックは他にないので、準備やリセットをすることが難しいレストランやバーなどでは、ついクレイジーマンズハンドカフばかり演じてしまいます。
しかし、クライアントには、「あのマジシャンはいつも輪ゴムマジックばかり演じて楽してる」と思われてしまいます。
ギャラを払っている人からすると、輪ゴム2本だけでパフォーマンスを繰り返しているマジシャンより、たくさんの道具を持ち歩いているマジシャンの方がが、雇い甲斐があります。
そのため、もしあなたがマジシャンであったり、これからマジシャンとして活動していこうと考えたりしているでのあれば、クレイジーマンズハンドカフばかり演じるのは避けたほうが無難です。
それよりも、色々なマジックを演じてお客様を楽しませたほうが、クライアントに良い印象を持ってもらいやすくなります。
クレイジーマンズハンドカフを習得するには練習が必要
たった2本の輪ゴムで演じることができるクレイジーマンズハンドカフは、簡単にできるように思われるかもしれませんが、そんなことはありません。
かなり練習をする必要があります。また、できるようになってもタイミングを間違えると、不思議さを十分伝えることができません。
しかし練習を繰り返し、タイミングが完璧なクレイジーマンズハンドカフは本当に不思議です。
何十万円もする高価な手品道具使ったマジックよりも、1円にも満たない輪ゴムマジックのほうがよっぽどウケると気が付くはずです。
もし、ライブでマジックを見る機会が訪れたら、その時は輪ゴムマジックだと思ってバカにしないで見てください。
きっと不思議な体験ができるでしょう。そして、自らも「クレイジーマンズハンドカフができるようになりたい」と思うはずです。