目の前で手品を見せる「クロースアップマジック」で人気のマジックが、コインアッセンブリーです。コインアッセンブリーとは、コインが瞬間移動するマジックです。

テーブルの四隅に置いたコインにトランプをそれぞれ被せ、トランプを取り除くと、コインが一箇所に集まっています。

初めてこのマジックを見た人の多くは、「もう一回やって」と必ずリクエストするぐらい、インパクトがあるマジックです。

コインアッセンブリーは技術で見せるマジック

コインアッセンブリーは、コインという身近なものを使ったマジックです。タネや仕掛けがないように思えるものを使いマジックをするため、お客様はとても興味をもって見てくれます。

タバコがコインに通ったり、コップに入れたコインがコップの底を通り抜けたりするマジックは、度々テレビでも取り上げられるので、一度は見たことがあると思います。

もちろん、これらのコインマジックも人気があります。

しかし多くの場合、テクニックではなく、ギミックに頼ったマジックなので、コインアッセンブリーのようなマジシャンの華麗な手さばきを楽しむことはできません。

コインアッセンブリーは、技術で見せるマジックです。

お客様は自由にコインを手に取り、種も仕掛けもないと納得した上で、コインの瞬間移動を目の当たりにすることになります。

この納得感とマジシャンの華麗な手さばきが、コインアッセンブリーの人気の理由です。

コインアッセンブリーの意表を突く演出

コインアッセンブリーは、ただ単にコインが一箇所に集まるマジックではありません。集まったコインが一瞬で元に戻ったり、カードを被せずに移動したりすることもできます。

意識を一箇所に集中しすぎると、予想外の展開で、さらにマジシャンに驚かされることになります。この意表を突いた展開がコインアッセンブリーの醍醐味といえます。

しかし、相手の意表を突けるようになるには、マジックの文献を読んだり、過去の映像を見たりして勉強する必要があります。

マジックバーに通い、実際にマジシャン自身が騙される経験もしなければなりません。

このように、多くの方法と相手の心理を研究することで、ようやく独自の見せ方で、コインアッセンブリーを演じることができるようになります。

ちなみに、私がマジックを始めたころは、毎日のようにコインアッセンブリーの研究と練習を繰り返しました。プロのマジシャンになってからも、本番で何度も演じ、今でも手順を研究しています。

コインアッセンブリーは、コインが一箇所に集まる単純なマジックですが、実はとても奥深いマジックです。

そのため、多くのマジシャンが独自で研究を続け、より不思議で意表を突く見せ方でコインアッセンブリーを演じています。

私もプライベートでマジックを見に行ったときは、どのような方法で意表を突いてくれるのか楽しみにしています。

もし、マジックを実際に見る機会が訪れ、マジシャンがコイン4枚を取り出したら、瞬きを我慢して一生懸命見ることをお勧めします。