タレントが仕事を受ける際のギャラ確認の重要性

タレントが仕事を受ける際のギャラ確認の重要性タレントが仕事をしたらその報酬としてギャラを受け取ることは当然です。

しかし、実際にはギャラが支払われない事態が発生することもあります。私はマジシャンですが、マジシャンになりたての頃は実際にギャラが支払われなかったこともありました。

また、知り合いのマジシャンやパフォーマー、タレントや声優でも、同じような被害にあっている方はたくさんいます。

このようにギャラが支払われないという被害にあわないためには、仕事を受ける時点でしっかりとギャラの確認をすることが大切です。

しかし、モデルやタレントといった仕事が初心者の方にとって、ギャラの確認は行いにくいことです。最初のころは満足な技術もなければ経験もないので、自分から言いにくい場合もあります。

そして、そんな気持ちを知っているためか、仕事を振ってはくれますが、ギャラの件に関しては一切触れられないことがあります。

しっかりとした大手事務所や、小さくても信頼と実績のある事務所からの仕事であれば、最初の時点でギャラを提示してくれますが、そうでない事務所もたくさんあります。

芸能関係の会社は、個人経営で小さく、実績も信頼もないような会社が無数にあります。

タレント初心者の頃は、信頼のおける事務所からよりも、小さくてとても会社とは言えないようなところからの仕事の依頼が多いです。

そのような会社はギャラに関することをあやふやにする場合が多いので、結果として支払われないといったことが起こりえます。

どんなにタレント業が初心者であっても、仕事をしたらギャラを受け取る権利があります。しっかりとギャラを支払ってもらうためにも、仕事を受ける前にギャラの確認をしておくことが重要です。

ギャラの確認がおろそかになってしまう理由

ギャラの確認がおろそかになってしまう最大の原因は、電話のみで仕事を受けてしまうことです。

ギャラに関してウヤムヤにしようとしている人は必ず電話で仕事を振ってきます。そして業務内容や日時だけを伝えて、そそくさと電話を切ります。

これでは、ギャラの値段や支払い日の確認が何もできません。完全に相手の言いなりになっているだけなので、ギャラが支払われる可能性は限りなく低くなることが考えられます。

本来であれば仕事を受ける際にしっかりと契約書を交わしておくことが安全です。

しかし、そこまで行なってしまうと面倒に思われ、逆に仕事を依頼してもらえなくなってしまうことも考えられます。

そのため、仕事の案件は例え最初は電話で受けたとしても、その内容を後からメールで送ってもらい証拠として残すようにします。この時はしっかりとギャラの金額と支払日を記入してもらうことが重要です。

税金のことを考慮にいれる

ギャラの確認をするときは、税金と交通費についてもしっかりと明記してもらう必要があります。ここを事前に確認しておかないと、後になって「実はマイナスだった」ということも起こりえるからです。

税金に関して例をだして説明します。

「10万で仕事をお願いします」と言われたとします。しかしここで「10万円が受け取れる」と思うのはハヤトチリです。なぜなら税込みか税別かが分からないからです。

タレント業務を行う場合は芸能源泉という税金が、ギャラに対して10パーセントかかります。そのため税込みで10万円の場合は10万円×0.9で、支払われる額は9万円となります。

続いては税別の場合です。

税別で10万円の場合は、実際に受け取れる額が10万円となります。この場合は実際に10万円がもらえることになりますが、10パーセントの税金は絶対にかかってきますので、実際のギャラは10万円×1.1で11万円となります。

しかし11万円から10パーセントの税金を引くと11万円×0.9で9万9千円となり1000円不足します。そのため芸能業界では並びで請求をします。

並びの請求とはこの場合で例えると、「税金を引かれた後に10万円が残る請求方法」です。

今回の場合は10万円の並びとなりますので、実際のギャラは111、111円となります。

111、111円から10パーセントの税金を引くことになるので、111、111×0.9で999,999円になり、足りない1円をたしてちょうど10万円となります。

このように10万円と言われても、税込みか税別かの2通りがあるので、メールでは手取りで10万円か税込みで10万円なのかをしっかりと明記してもらう必要があります。

交通費も考慮に入れる

また、タレント活動をしていると地方に行く仕事もあります。この場合は当然交通費がかかります。

例えば、東京から大阪まで行くと新幹線で往復約3万円です。

しかし、ただ単に10万円でお願いしますと言われた場合は、交通費が含まれているのかいないのかが不明です。

もし、税込みで交通費も含まれていなかったとしたら、実際に手元に残るお金は、10万円×0.9(税金)-3万円で6万円となってしまいます。

このように、10万円手元に残る場合と比べると4万円も少ないことになります。

そのため、交通費は別なのか、込みなのかもしっかりと明記してもらう必要があります。

込みこみで10万円と言われた場合は、税金も交通費も全て含めて10万円だと思って下さい。

手取りで10万円が欲しい場合は、しっかりと「税別、交通費別で10万円を支払います」と明記してもらわなければいけません。

以上のようにタレント初心者は、税金や交通費を曖昧にされやすいので注意する必要があります。

ギャラがハッキリとしない仕事を受けると、心に疑問が残ります。スッキリとした気持ちで仕事をするためにも、事前のギャラ確認はしっかりと行うことが大切です。

後で「言った、言わない」などのトラブルになるのも後味が悪いので、お互いのためにもしっかりと証拠をのこし、責任の所在を明らかにしておくことがタレント業務では重要です。