タレント業で成功したい場合、型破りな考え方が必要です。ハンサムなタレントや美人なモデルは世の中に溢れかえっています。
しかし、このようなありふれた攻め方では、その他大勢の中に埋もれてしまうので注目されません。注目されるためには、他と圧倒的に違う強烈な個性が必要となります。
私はマジシャンとして活動しています。
私の場合は、「中学生の頃にマジックを好きになり、大学卒業後はマジックショップで働き、その後はプロのパフォーマーとして活動し、現在に至る」という、マジシャンとしてはごくありふれた経歴を歩んできました。
マジシャンとしてはそれなりに長く仕事を続けているとは思いますが、圧倒的人気を短期間で得るような経験はありません。
しかし、人によっては彗星のごと現れ、一気に話題を独占するマジシャンがいます。
常識にとらわれない考え方が大切な理由
例えば、お客様の目の前でテーブルマジックを行う場合、一般的なマジシャンであれば、トランプやコインを使ってマジックを見せようとします。
このような考えに至る理由は、多くのマジシャンが、「マジシャンになるために必ず通る道」を歩んでいるため、考え方がどうしても似通ってしまうからです。
一方、短期間で話題を独占するマジシャンは、そもそも多くのマジシャンが歩んできた道を通っていません。別の業界から入ってきている場合が多く、「マジックとはこうあるべき」という固定概念がありません。
そのため、一般的なマジシャンからすると、あり得ない方法で攻めてきます。
先ほどのテーブルマジックの場合では、「そもそもテーブルマジックで、なぜトランプやコインを使わないといけないのか?」と考えます。
テーブルマジックはそれなりに技術が必要なため、ある程度の経験が必要です。
いきなり出現したマジシャンの技術レベルは、経験豊富なマジシャンとは比べるまでもないので、真正面から勝負を挑んでも敵いません。
しかし、話題を独占する人はそこで諦めません。
トランプやコインといった一般的な道具は使わず、ステージマジックショーで使う大ネタをテーブルマジックで演じてしまいます。
例えば、テーブルが浮いたり、スケッチブックに書いたボールングの玉の絵が、本物になって出現するようなマジックです。
お客様からすれば、まさか目の前でテーブルが浮いたり、重たいボーリングの玉が出現したりするとは思っていないので、度肝を抜かれます。
普通のマジシャンは「それはないだろう」と高を括って見ます。
しかし、エンターテイメントでは、面白いかつまらないかはお客様が判断することです。
マジシャンからみればあり得ない見せ方でも、お客様が楽しいと思えばそれが正解です。そして、他に同じことをする人がいないので、一気に話題を独占し、人気者になります。
タレントは個性を活かすことができる職業
また、テレビに頻繁に出演するタレントも、ただ単にハンサムや美人という理由だけで人気者になったわけではありません。
例えば、ハンサムだけれども結婚と離婚をくり返し、一般的な考えではあり得ない「不倫は文化」といった独自理論で話題になったタレントもいます。
巨大な体格とオネエキャラを活かし、饒舌なトークでバラエティー番組では欠かせない存在になったタレントもいます。
このように、一般的では考えられない特徴や考え方を持っている人でも、それが聴衆から受け入れられたとしたら、芸能業界では活躍することができます。
タレント業では何が正解で、何が不正解といった答えはありません。
体格が大きい女性でも、大きいサイズの洋服のモデルとして活躍できるかもしれません。頭が悪くても、それを活かせばおバカキャラとして活躍することも可能です。
つまり、一般的にはネガティブに思われることでも、逆にそれを活かし型破りな方法で攻めることができれば、人気者になれる可能性があるということです。
言うことは簡単でも、実行に移すのは難しいでしょう。しかし、ダメもとでも実行した人が、タレント業界で成功のチャンスを掴むことができるのかもしれませんね。