タレント初心者の頃はたくさんの困難があります。仕事が少ない、ギャラは安い、パフォーマンスもうまく出来ない…… などの困難が次々と思い浮かび、「もう無理だ」という気持ちになることがあります。
しかし、諦めてしまっては、志はそこで終わりです。志を貫くためには、「もう無理だ」と思う以上に「まだできる」と強く思う必要があります。
「まだできる」と思う気持ちが大切な理由
私はマジシャンです。マジシャンになったばかりの頃は、パフォーマンスの仕事は全くなかったので、手品道具の実演販売をしながらマジシャンを目指していました。
ただ、マジックは生きて行くためには必要ないので、仕事として成立するのか疑問でした。
また、マジックの仕事は多くはありません。そのため、仕事の依頼が来たら、取り敢えず「何としてでも成立させたい」という気持ちだけが先走っていました。
それに、技術も先輩マジシャンには敵いません。
このような状況で、今更私がマジシャンになったとしても、初心者の私に仕事が回ってくるとは考えられませんでした。
親も「マジックだけで生活するのは絶対無理」という考えでした。サラリーマンをしながら、趣味で週末にボランティアでマジックをするよう強く勧められました。
このような理由で、「マジシャンで生活するのは諦めるべき」と何度も考えていました。
しかし、同時に「まだできる」とも強く思うように心がけていました。
先輩マジシャンたちは、マジックを仕事として選んでいます。そう考えると、例えマジックが生きていくために必要ないことだとしても、需要はあると思ったからです。
そのように考えていると、少しづつ仕事が依頼されるようになりました。このとき、実演販売をすることで得た、「人前で演技する経験」を本番で活かすこともできました。
このように、「まだできる」という気持ちを少しだけ強く持つことで、道が開かれることがあります。
開かれた道の先はまた困難
ただ、その道が一気に人気者になるための道につながる人はごく僅かです。ほとんどの人は、開かれた道に進んでもまた同じように困難に遭遇し、再び「もう無理だ」と思うことになります。
タレント業はこの繰り返しです。そのため、「もう無理だ」という気持ちが「まだできる」という気持ちに勝ってしまったら、その時点で終わってしまいます。
しかし、「まだできる」という気持ちが勝てば、次のステージに進むことができます。
次のステージに進むためには、努力をする必要があります。努力を重ねると、自然と技術も定着し、安定したパフォーマンスができるようになるため、クライアントからも信頼を得ることができます。
これをくり返すことで、少しずつ仕事が増えていきます。
「もう無理だ」という気持ちが勝つと、もう少し頑張れば結果が出たかもしれないところで、結果を見ずに終わってしまいます。これでは、今までの努力が生かされず無駄になってしまうので、もったいないです。
しかし、「まだできる」という気持ちが勝てば、終わることなく努力を続けます。そうすると、必ず何かしら良い結果を得ることができます。
タレント業界は競争が激しい世界です。強い気持ちを持ち、困難を乗り越えなければ生き残れません。そのため、日頃から「まだできる」と思うクセを付けることが大切です。