イベントやパーティーを盛り上げる人体交換イリュージョンとは

イベントやパーティーを盛り上げる人体交換イリュージョンとはステージマジックショーで「観客に最も喜ばれるイリュージョンは何か?」と質問されたら、真っ先に人体交換イリュージョンと答えます。

人体交換イリュージョンとは、その名の通り、人と人が一瞬にして入れ替わるマジックです。

一般的な人体交換イリュージョンは、まず箱の中にマジシャンが入り蓋をしめます。しっかりと鍵をかけたり、紐で縛ったりして、箱の中の人が絶対に抜け出せない状況を作ります。続いて箱の上にアシスタントが立ち、幕を持ち上げます。

そして幕を高く持ち上げて下ろすと、箱の上にマジシャンが立っていて、箱の中からアシスタントが出てくる現象です。

人体交換は速さを追及するか、意表を突くかのどちらか

人体交換イリュージョンには、さまざまなバリエーションがあります。よく見かけるのが、透明な箱で行う人体交換です。箱の中の人の様子が見えているため、タネや仕掛が感じられません。

また、人体が交換したあと、箱の中から全くの別人が出てくるような、意表を突くバージョンもあります。

ただ、バリエーションには一長一短があります。

箱が透明であればより不思議に見えますが、その分リスクもあるので、肝心の人体が交換する瞬間のスピードが遅くなるといったデメリットもあります。

(その理由が気になる人もいると思いますが、あまり詳しく書くとタネ明かしになるでの割愛します)

スタンダードな見せ方で、速さを追求するか、バリエーションで意表を突くかはマジシャンの好みが別れるところです。

ちなみに、私も人体交換イリュージョンを行いますが、私の場合はスタンダードな方法で、速さを追求しています。

デビッド・カッパーフィールドの究極の人体交換

私が見た人体交換イリュージョンの中で、もっとも印象的だったのが、アメリカの超有名マジシャン、デビッド・カッパーフィールドが行なったコクーン(cocoon)です。

人体交換イリュージョンに変わり無いのですが、見せ方や手法が斬新すぎて、とても感動したのを今でも覚えています。

ただ、このマジックを行なうには、巨大な装置が必要となります。ラスベガスのホテルに常設してある巨大な劇場や、大きなイベント会場でなければ行えないので、現実的ではありません。

しかし、このような非現実的なことを行うからこそ、デビッド・カッパーフィールドは、世界中のマジシャンの憧れであり続けるのだと思います。

人体交換イリュージョンが人気の理由

パーティーやイベントでは、参加者の多くはお酒を飲んでいます。そのような人は集中力が散漫になっているため、複雑なマジックを見せても理解できません。

しかし、人体交換イリュージョンは、「人が入れ替わる」というシンプルな現象です。そのため、お酒が入っている人でも分かりやすく、イベントが盛り上がります。

小さな子どもでも理解できるので、学校の芸術鑑賞会でも、低学年から高学年の子供まで楽しむことができます。

また、イリュージョンマジックにしては機材がコンパクトなので、運搬がしやすくどこでも演じることができます。

このように、人体交換イリュージョンはとてもシンプルですが、その分かなり練習が必要です。特にアシスタントの役割は大きく、練習では何度も擦り傷を作るほどです。

こうして、何度も練習を繰り返すことで、ようやくお客様に驚いてもらえるパフォーマンスができるようになります。

曲とアシスタントとのタイミングがピッタリと決まった人体交換イリュージョンは、本当に不思議です。

もしイリュージョンマジックショーをみる機会があれば、人体交換の瞬間だけは、瞬きをせず目を離さないで必死に見て下さい。