私はマジシャンなので、様々な場所でショーを行います。そこでは、他のパフォーマーさんのショーを見学できる場合があります。その中でも特に面白いと思うのが催眠術ショーです。
催眠術ショーは誰もが楽しめる体感型パフォーマンス
催眠術と聞くと何だか怪しいイメージがあります。しかし、ショーとして行う場合は、観客全員が参加しながら楽しめ、とても楽しいパフォーマンスです。
催眠術は、かかりやすい人と、かかりにくい人がいます。そのため、徐々に催眠術にかかりやすい人が、ショーの中で振るいにかけられるとこになります。
最初は、催眠術師が全員に簡単な催眠術をかけます。そして、最初の段階をクリアした人が次のステージに進み、より難しい催眠術をかけられます。
このように、徐々に催眠術をかけることで、お客様の中から催眠術にかかりやすい人を見つけだします。最終段階まで残った人が、ステージ上で最も難易度が高い催眠術に挑戦します。
最終段階の催眠術は本当に不思議です。私が見たのは、3つ並べた椅子にお客様が仰向けに寝そべり、体全体が硬い棒になるという催眠術でした。
この状態で真ん中の椅子を取り除くと、体が「頭と足の椅子」のみで支えらているだけにも関わらず、なぜか倒れません。さらに、人が上に乗っても、まるで板の上に乗っているかのようにビクともしません。催眠術を解くと、何事もなかったかのように起き上がりました。
このように、催眠術ショーはタネも仕掛けも使わず、不思議な体験ができるとても興味深いショーです。
催眠術ショーのメリット
催眠術ショーはほとんど道具を使いません。よほど狭いステージでない限り、パフォーマンス出来てしまうのはメリットです。
例えば、バンド演奏のように、多くの機材を必要とするパフォーマーとコラボする場合でも、催眠術ショーならちょっとした空きスペースがあればパフォーマンス出来てしまいます。
また、基本的に一人で行うショーなので、人数を必要とするパフォーマンスに比べると、ケータリング費用を抑えることができます。
このように、催眠術ショーはフットワークが軽いので、さまざまなショーとコラボレーションできるとても有効的なパフォーマンスといえます。
催眠術ショーは子供には難しい
催眠術ショーは、体感型パフォーマンスです。マジックや音楽のように、単純に見たり聞いたりして楽しむパフォーマンスではありません。そのため、楽しめる年齢層の幅は狭くなります。
特に小さな子供は、見た目が華やかで分かりやすいものに興味を示すため、ほとんどトークのみの催眠術ショーは楽しめません。
そのため、催眠術ショーを依頼するときは、企画するイベントに、催眠術を理解できる年齢層の人が多く集まるかどうかを確認しておくことが重要です。
催眠術もマジックと同じように、疑われやすいパフォーマンスです。しかし、どんなに疑いの目を向けられても、タネも仕掛けもないので、マジックのようにタネがバレることはありません。
この誰も理解できないミステリアスな部分が、催眠術の魅力だと言えます。
私も最初は催眠術ショーを疑って見ていました。しかし、素直な気持ちで催眠術師の言うとおりに行動してみると、確かに腕が動かなくなったり、椅子に座った状態から立てなくなったりしました。
これは、実際に体験してみないと分からないことです。もし、あなたに催眠術ショーを見る機会が訪れたとしたら、その時は素直な気持ちで催眠術師の言うとおりに行動してみて下さい。
運よく催眠術にかかれば、自分の意思に反して体が動かなくなるような、不思議な体験ができるかもしれません。
催眠術は悪用すると危険です。しかし、エンターテイメントとして行う場合は、人によってはあり得ない体験ができるお勧めのショーです。