私の職業はマジシャンです。パーティーや結婚式、宴会などでショーを披露することが多いです。しかし、幼稚園や小学校などで、子供たちを対象にしたマジックショーを行なうこともあります。
その際に子供の親や先生から、「普段は人見知りで物静かな子が、マジックショーのときはまるで別人のように元気になった」という言葉をよく聞きます。
子供でも友達の機嫌や顔色は敏感に感じ取っている
子供たちは、マジックをとても無邪気に楽しんでくれます。
私からすると、この無邪気さが子供たちの本来の姿なのかと思ってしまいますが、実はそうでもないということが、マジシャンという仕事を通して分かりました。
対人関係において子供たちは、一見すると何も考えずに友達と仲良く過ごしているように見えます。ところが、実際は大人と同様に友達の機嫌や顔色を気にしています。
子供たちの世界でも、大人顔負けの人間関係が形成されているのです。
相手の機嫌や顔色を伺いながら行動することは、よい人間関係を形成するためにはある程度は必要です。ただ、あまりにも度が過ぎると人間関係に疲れてしまいます。
すると、コミュニケーションや人付き合いが面倒になり、人見知りの子供になってしまいます。
マジックで好奇心を刺激し本来の子供らしさを引き出す
では、なぜ子供がマジックを見ると普段は人見知りの子供が、無邪気に楽しんでくれるのでしょうか?
それは、マジックが不思議であり、どうやっているのか疑問を抱くからです。
マジックを子供に見せると、必ず驚き、食らいついてきます。これは子供の好奇心を刺激しているからです。
どんなに人見知りの子供であっても、好奇心はあります。ところが、好奇心の刺激が一定レベルを超えると、相手の顔色や機嫌を伺うことを忘れます。
すると、本来の子供らしい「不思議なことに興味を持ち、なぜそのようなことができるのか知りたがる」という、無邪気な行動をします。
子供の心の成長を考える場合、本を読み聞かせたり、親子で遊んだりすることは一般的によく行われています。もちろん、このようなことは子供の心の成長にとってとても良いことです。
ただ、家でも学校や幼稚園でも同じようなことばかりの教育では、子供も飽きてしまいます。
大人でも毎日、同じようなことの繰り返しの日常ではつまらないと感じるはずです。そのため、時には心に刺激を与え、鋭気を養うために舞台や映画を見たりします。
この時マジックを見ると、映画や舞台といった他のエンターテイメントでは味わえない「不思議さ」という刺激があるので、日常を忘れマジックに夢中になります。
これと同様の刺激が、マジックを子供に見せた場合でもあります。
マジックはとても不思議です。今までに経験したことがない不思議な体験をすることができます。
子供たちは、素直な気持ちで驚き、楽しむことができるので、人見知りの子供でも心を開くキッカケになる可能性があります。
マジックが担う子供教育の責任
私は、マジックを通じて子供の心を豊かに育てることが、使命の一つだと考えています。そのため、幼稚園や小学校、児童館などからのショーの依頼も積極的に引き受けています。
また、親や先生がマジックすることで、子供の心に刺激を与えるのに有効的なマジックをレクチャーしています。マジックは、とりあえず何でもやれば良いわけではありません。
きちんと、子供の理解力に合わせたマジックをしなければ、心に刺激を与えることができません。適当な気持ちで見せると、タネが見えてしまい、子供にナメられてしまいます。
マジックは必ずしも、手先の器用さが必要な難しいものばかりではありません。目の錯覚や思い込みを利用したり、素材の特徴を生かしたりしたマジックは簡単に覚えることができます。
このようなマジックは単純なので、子供でも素直に楽しむことができます。
子供の心に良い方法で刺激を与え、好奇心を高め人見知りを克服するには、マジックはとても有効的です。いつもとは違った子供教育を考える場合は、ぜひお問い合わせ下さい。